これは大きな理由としては二つありますが、ひとつは単純に現場での指導管理能力があり、工事現場においては工事中ありとあらゆる問題が起こる可能性がありますので、それらの問題を一通り経験するには単に現場監督としての仕事を覚えただけでは問題にならず、極論を言ってしまえば10年に1回あるかないかというような大きな問題も乗り越え、それらを解決してこなければ大切なお客様の家づくりを支えることができない。
ふたつ目は、ある程度継続された環境における特定の職人さんとのコミュニケーション、そして不特定の職人さん(新規業者等)への管理指導などを10年もやっていれば、それは次第に施工会社(職人)と管理者という立場だけではなく、個人と個人という開かれたコミュニケーションへと進展していきますから、管理者がきちんと現場管理をしていれば、自然と施工会社(職人)も仕事という枠を超えて一生懸命やってくれるようになります。
ですから単に企業で10年間現場監督やってました・・・
などのような場合は該当せず、どのポジションでどのような経験をしてきたかということが重要だと思います。
戦後すさまじい勢いで発展してきた日本は、かつては国際競争力が1位だった頃もありますが、今や21位 (2005年度)まで転落している。
これはある程度大きくなった会社が品質の格差をなくし、個人の能力に影響されない会社にする為に、何でも分業化して個々の能力レベルの低下を招いてしまったからだと思います。
幸いにして私が一番長くお世話になった会社では、営業及び設計、並びに現場監督や経理業務の一部、そしてパートの仕事のようなものまでもやらされていましたので、そこで業務の一連の流れを学ぶことができ、更には与えられない仕事までも率先して何でも前向きに覚えようと、毎日が好奇心の塊でしたから現在このシステムを運用できているのだと思います。
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